三宿小学校教育目標

 われわれは憲法、教育基本法を制定した当時の初心を忘れず、人聞尊 重−子どもを人間として大事にする教育の徹底をはかる。 それがためには子どもたちが暖かい感情と、自主的な根性を持つとともに、仲間同士の協力を身につけるように努力する。
 子どもたちへのことばとしては、 「やさしくて、強くて、みんなでがんばる人間」 になるように求めることを決定した。
(金沢嘉市著「ある小学校長の回想」より 岩波書店)

転任のあいさつ

 三宿小学校に来た。ここにも子どもがいる。顔、顔、顔、子どもたちの明るい顔、生き生きした顔、私の心もだんだんとほぐれてきた。一年生の子どもたちはかわいい顔をしてならんでいる。
 私は校庭に整列している一年生の子どもたちに向かって、
 「皆さんおめでとう。きょうから小学校一年生です。もう赤ちゃんではありません。学校の子どもです。名前も赤ちゃんのような呼び方はいたしません。山田君、小川さんというように名字を呼びます。呼ばれたら〈ハイ〉としっかりよい返事をすること。
 では一つだれかに言ってもらおうかな…。では前列の〈井上君〉 〈ハイ〉
 よくできました。学校へ来るときは、独りでパッと起きて、独りで洋服を借て、友だちといっしょに元気よくいらっしゃい。
 きょうはおかあさんや、おとうさんにつれられて来たようですが、それはきょうだけ。あしたからは友だちとくること。
 ではあしたから元気よく、いばって学校に来てください」
(金沢嘉市著「ある小学校長の回想」より 岩波書店)

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